足部の本来の機能を高めることで、速く走るというパフォーマンスをあげれるだけでなく、メカニカルなストレスを減らすことができ、ケガの予防も可能となってくるのです。
今回は足部の筋群とトレーニング方法についてお話ししたいと思います。
①足部の内在筋群と外在筋群とは?
②フットコアの簡単トレーニング:ストレッチ
③フットコアの簡単トレーニング:筋力強化
④まとめ
目次
①足部の内在筋群と外在筋群とは?
足部の筋肉には内在筋群と外在筋群とあります。内在筋群で作る4層のアーチと外在筋群で作るアーチはフットストライクごとに足部の変形を抑制します。
①内在筋群とは?
内在筋群:拇趾外転筋、短趾屈筋、小趾外転筋、足底方形筋、虫様筋、小趾屈筋、拇趾内転筋、短拇趾屈筋、底側骨間筋
内在筋群とは、小さい横断面積、小さいモーメントアームの筋群で主動作筋ではなく安定化筋群となります。
適切な足の動きと機能が成立するためには、内在筋群からの安定性が必要となります。内在筋群がしっかり働いていないと舟状骨(しゅうじょうこつ:足の内側にある内側縦アーチを支える骨の一つ)が下制してしまいます。つまりは扁平足の状態となってしまいます。それだけでなく、開帳足や外反拇趾の原因にもなります。
②外在筋群とは?
外在筋群:長拇趾屈筋、長趾屈筋、後脛骨筋、長腓骨筋
外在筋群とは、動作をする際に主として発揮する主動作筋となります。
扁平足例などでは、内在筋群の代償として外在筋群となる足部内返しの筋肉が過剰に働くので、シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎:けいこつかろうせいこつまくえん)等の過用症候群になりやすくなってしまいます。
②フットコアの簡単トレーニング:ストレッチ
足部は荷重をかけた時にクッションの役割をするしなやかさが必要となります。また筋肉も柔らかさがないと本来の機能を発揮することができません。なのでまず筋力強化の前にはストレッチを行いましょう!
足裏のストレッチ
①椅子に腰かけて、足裏でボールやペットボトルを横にしたものを前後に転がします。
②座って足の裏を上に向け、自分の両手で挟むようにして持ち、親指で押していきます。

③座って足の親指を持ち、親指を上に反らして(拇趾を伸展)いきます。
ふくらはぎのストレッチ
④立った状態で5cm程度の敷居に前足部をかけて踵を下ろし、ふくらはぎを伸ばします。
足の指のストレッチ
⑤座った状態で各足の指の間に手の指を入れ、足の指を広げます。
③フットコアの簡単トレーニング:筋力強化
内在筋群と外在筋群と分けてトレーニングを行っていきます。
内在筋群の筋力強化
①ショートフットエクササイズ
踵と足趾の付け根を近づける動きで、アーチをギュッと持ち上げる動きをします。まず、座った状態から始め、慣れてきたら立って実施していきます。 指が曲がったり、拇趾球(親指の付け根)が持ち上がらないように注意しましょう。
②足の指開き
足の指を1本1本なるべく均等に開いていきます。意外と出来ない人も多いのではないのでしょうか。
外在筋群の筋力強化
③タオルギャザー
タオルの端に足を置き、踵が浮かないように手前にタオルを手繰り寄せていきます。

④踵上げトレーニング(膝を伸ばした状態)
つま先で立ち、踵が落ちない状態を保持します。45秒程度保持できる状態を目指していきます。平坦な地面で両足から始めて、慣れてきたら徐々に片足にチャレンジしていきます。
ただし、アキレス腱の痛みがある人はやめておきましょう。

⑤踵上げトレーニング(膝を曲げた状態)
膝を伸ばした状態では腓腹筋が働きますが、膝を曲げた状態ではヒラメ筋が働きます。膝を曲げた状態ではより難しくなるので初めは座った状態で実施していきましょう。

⑥足首回し
足首を内回し、外回しで回していきます。
実施頻度
気付いた時に実施する、そしてなるべく多く実施します。1日20回すれば大丈夫とかいうお話しではありません。また何より生活において、動きを意識していくことが大切です。そうすれば自然と動きが変わり、使う筋肉が変わってきます。
④まとめ
今回は足の本来の機能を取り戻すために、足部の筋群とトレーニング方法についてお話ししていきました。足部のトレーニングは最終的には機能的筋力(動作で使える筋力)を備えていく必要があります。それには動作の中で「意識してアーチを持ち上げる」など実施していけると近道になりやすいと思います。